米国・日本が利上げしてもビットコインが下がらない理由とは?政策金利とBTC価格の関係を解説

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米国・日本が利上げしたのにビットコインが下がらない?

2026年9月、米国と日本で相次いで利上げが実施されました。

米連邦準備制度理事会(FRB)は9月16日のFOMCで政策金利を0.25%引き上げ、3.75~4.00%としました。FRBによる利上げは約3年ぶりです。

さらに翌9月18日には、日本銀行も政策金利を0.25%引き上げ、1.25%としました。日銀の利上げは7対2で決定され、政策金利は約31年ぶりの高水準となっています。

一般的に、利上げは株式やビットコインなどのリスク資産にとってマイナス材料と考えられています。

ところが今回、ビットコインは利上げ後に大きく下落するどころか、9月18日には一時8万ドルを突破しました。Reutersによると、同日のビットコインは約5.9%上昇して8万1000ドル付近まで上昇しています。

「利上げなのになぜビットコインが上がるのか?」

この疑問を理解するには、単純に「利上げ=ビットコイン下落」と考えるのではなく、市場が利上げをいつ織り込んだのか、利上げ後の金融政策がどうなるのか、そしてビットコイン独自の材料が何なのかを見る必要があります。

そもそも利上げとビットコインにはどんな関係がある?

まず、政策金利とビットコイン価格の基本的な関係を確認しておきましょう。

利上げは一般的にビットコインに逆風

中央銀行が政策金利を引き上げると、銀行からお金を借りるコストが上昇します。

企業や個人にとって資金調達が難しくなるため、経済全体ではお金が動きにくくなります。

また、金利が上昇すると国債などの比較的リスクの低い資産から得られる利回りも上昇します。

その結果、投資家がビットコインのような値動きの大きい資産に積極的に資金を振り向けにくくなる可能性があります。

特に米国の政策金利は世界の金融市場に大きな影響を与えるため、FRBの利上げはビットコインにとって重要な材料です。

金利上昇で「リスク資産」が売られやすくなる

ビットコインは価格変動が大きいため、金融市場では株式などと同様にリスク資産として扱われることがあります。

金融環境が引き締まると、投資家がリスクを落とす動きが出やすくなります。

そのため、過去の金融引き締め局面では、「利上げ→金融環境の引き締まり→リスク資産売り→ビットコイン下落」という流れが意識されてきました。

では、なぜ今回の利上げでビットコインは下がらなかったのか?

ここが今回の最大のポイントです。

結論から言えば、「利上げそのもの」よりも、「その利上げが市場にどう織り込まれていたか」と「利上げ以外の材料」の影響が大きかったと考えると分かりやすくなります。

理由① 利上げが事前にかなり織り込まれていた

金融市場では、中央銀行が実際に政策金利を変更する前から、経済指標や中央銀行関係者の発言などを材料に今後の金利を予想しています。

今回のFRB利上げについても、発表直前には市場で利上げがかなり織り込まれていました。

実際、Coinbase Institutionalも9月上旬の時点で、9月の利上げがほぼ織り込まれているとの見方を示していました。

つまり、投資家からするとFOMC当日に突然「利上げ」というニュースが出てきたわけではありません。

すでに利上げを想定してポジションを調整していた投資家も多かったと考えられます。

このような場合、実際に利上げが発表されても、必ずしも価格が大きく下落するとは限りません。

「事実」より「予想との差」が重要

金融市場では、単純にニュースが良いか悪いかだけではなく、市場予想と実際の結果にどれだけ差があったのかが重要です。

例えば、

  • 利上げが予想されていた
  • 実際に0.25%利上げされた
  • 今後の利上げについても市場がある程度想定していた

という状況なら、「利上げ」というニュース自体にはすでに価格が反映されている可能性があります。

逆に、市場が0.25%の利上げを予想していたところ、0.50%の利上げが突然発表された場合には、サプライズとして大きな売りにつながる可能性があります。

つまり、「利上げしたかどうか」だけではなく、「予想より金融引き締め的だったのか」が重要なのです。

理由② 利上げ前にすでにビットコインが下落していた

もう一つ重要なのが、金融市場は将来の利上げを事前に織り込むということです。

FRBが9月16日に利上げを決定する前から、米国債利回りやドル、ビットコインなどは利上げ観測の影響を受けていました。

そのため、利上げ発表の時点で、投資家のポジション調整がある程度進んでいた可能性があります。

これが「利上げした瞬間にビットコインが暴落する」という単純な動きにならなかった理由の一つです。

理由③ 日銀の利上げでも円高にならなかった

今回のビットコインを考えるうえでは、日銀の利上げも重要です。

日銀は9月18日に政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げました。

通常であれば、日本の金利が上昇すると円の魅力が高まり、円高につながることが期待されます。

ところが今回は、日銀の決定後に円がむしろ弱含みました。

Reutersによると、日銀の決定は7対2で、追加利上げへの積極姿勢が明確ではないと市場に受け止められたことが円売りにつながりました。

これはビットコインを見るうえでも重要です。

なぜなら、「日銀が利上げした=世界の流動性が一気に引き締まる」とは限らないからです。

日銀利上げ=必ず円キャリートレード解消ではない

日本の低金利を利用して円を調達し、海外の高金利資産などに投資する取引は一般に「円キャリートレード」と呼ばれます。

日銀が利上げすると、円キャリートレードの巻き戻しが起き、株式や暗号資産などのリスク資産が売られる可能性があります。

実際、過去には日銀の金融政策変更と円キャリートレードの巻き戻しが世界的な市場変動につながったケースもありました。

しかし今回は、日銀が利上げしたにもかかわらず円が強く上昇する展開にはなりませんでした。

そのため、現時点では「日銀利上げ→円キャリー巻き戻し→ビットコイン急落」という連鎖が強く発生しているとは言いにくい状況です。

理由④ ビットコインには金利以外の買い材料もあった

今回のビットコイン市場を考える際には、金利だけを見てはいけません。

9月18日のビットコイン上昇には、米国の暗号資産規制を巡る動きや、トークン化株式への規制面での進展など、暗号資産市場独自の材料も影響しました。

米SECは9月17日、一定の条件のもとでトークン化された米国株をオンチェーンで取引する市場に対する一時的な免除措置「Innovation Exemption」を発表しました。

これはビットコインそのものに直接的な買い材料というわけではありません。

しかし、米国の金融市場とブロックチェーン技術が接近していく流れを意識させる材料として、暗号資産市場全体のセンチメントを改善させる可能性があります。

ビットコインETFへの資金流入も材料

さらに9月18日のビットコイン上昇については、米国の現物ビットコインETFへの資金流入も注目されています。

Wall Street Journalは、9月17日にビットコインETFへ約1億6000万ドルの資金が流入し、直前の2日間続いていた純流出から流れが変わったと報じています。

このように、FRBの利上げというマイナス材料がある一方で、

  • ビットコインETFへの資金流入
  • 暗号資産規制の進展
  • トークン化株式への取り組み
  • 利上げの織り込み
  • ショートポジションの巻き戻し

など複数の材料が同時に存在しています。

そのため、利上げだけを理由にビットコインが下落する展開にならなかったと考えられます。

「利上げ=ビットコイン下落」は間違いなのか?

では、「利上げをするとビットコインが下がる」という考え方自体が間違っているのでしょうか。

そうではありません。

利上げは基本的にビットコインにとって逆風になりやすいという考え方は現在でも重要です。

ただし、それは「利上げした瞬間に必ずビットコインが下落する」という意味ではありません。

より正確には、

「金融引き締めが強まり、実質的な金融環境が悪化すると、ビットコインには下落圧力がかかりやすい」

と考えたほうがよいでしょう。

ビットコイン価格は「政策金利」だけでは決まらない

ビットコイン価格を見るときに、政策金利だけを見ていると判断を誤る可能性があります。

重要なのは、複数の金融指標と市場の資金フローです。

① 政策金利

FRBや日銀などの政策金利は、金融市場の大きな方向性を決める重要な材料です。

利上げは一般的に金融環境を引き締める方向に働きます。

② 米国債利回り

ビットコインを見る場合、政策金利だけでなく米国債利回りも重要です。

特に長期金利が上昇すると、リスク資産への資金配分に影響する可能性があります。

今回もFRBの利上げ後に米国債利回りが上昇しましたが、それでもビットコインは反発しました。

③ ドル

米国の金利が上昇するとドル高につながりやすく、ドル高は一般的にビットコインなどドル建て資産にとって逆風になりやすいと考えられています。

今回もFRBの利上げ後、ドルは上昇しました。Reutersによると、ドル指数は週を通じて上昇しました。

それでもビットコインが上昇したことは、今回の相場で金利やドル以外の材料が強く意識されたことを示しています。

④ ビットコインETFの資金流入・流出

現在のビットコイン市場では、米国の現物ETFを通じた機関投資家などの資金フローも重要です。

ETFへの資金流入が続けば、金利上昇による売り圧力を一部吸収する可能性があります。

⑤ レバレッジとポジション

ビットコインは先物市場のレバレッジも大きいため、価格そのものだけでなく、ロングとショートのポジション状況も重要です。

利上げなどの悪材料がすでに織り込まれている場合、ショートポジションの巻き戻しによって逆に価格が急上昇するケースもあります。

今回の利上げで注目したいのは「次の利上げ」

今回の利上げで重要なのは、実は9月の利上げそのものだけではありません。

今後、FRBがどこまで利上げを続けるのかが重要になります。

FRBは9月のFOMCで政策金利を3.75~4.00%へ引き上げました。

さらにReutersによると、FOMC参加者18人のうち16人が2026年末までに少なくとももう1回の0.25%利上げを見込んでおり、年末の政策金利見通しは4.00~4.25%のレンジとなっています。

つまり、今回の利上げだけを見て「ビットコインに問題はない」と判断するのは早いでしょう。

今後さらに金融引き締めが進めば、ビットコインに対する下押し圧力が強くなる可能性があります。

今後のビットコインで確認したい5つのポイント

① FRBが追加利上げをするのか

今後のFOMCで追加利上げが実施されるのか、それとも利上げを停止するのかは重要なポイントです。

② 米国のインフレ率

FRBが利上げを続ける最大の理由の一つがインフレです。

インフレが再加速すれば、金融引き締めが長期化する可能性があります。

③ 米国債利回り

政策金利だけではなく、2年債や10年債などの米国債利回りも確認したいところです。

④ 日銀と円キャリートレード

日銀の追加利上げによって円が大きく上昇する場合、円キャリートレードの巻き戻しが強まる可能性があります。

これは日本株だけでなく、米国株やビットコインなど世界のリスク資産にも影響する可能性があります。

⑤ ビットコインETFへの資金流入

金利環境が厳しい中でもETFへの資金流入が続くのかは、今後のビットコイン市場を見るうえで重要なポイントです。

利上げ後にビットコインが上昇したからといって「金利は関係ない」わけではない

今回の値動きを見て、「利上げしてもビットコインは上がるから金利は関係ない」と考えるのは少し危険です。

むしろ今回の相場から分かるのは、ビットコイン価格は金利だけで決まっているわけではないということです。

金融政策、インフレ、米国債利回り、ドル、ETF資金流入、規制、投資家心理、レバレッジなど、さまざまな要因が同時に価格へ影響しています。

今回のように「利上げ」というマイナス材料があっても、それ以上に強い買い材料が存在すればビットコインが上昇することはあります。

まとめ:利上げ=ビットコイン下落ではない

2026年9月は、米国と日本が相次いで利上げしました。

FRBは政策金利を3.75~4.00%へ引き上げ、日銀も1.25%へ引き上げています。

通常なら、金融引き締めはビットコインのようなリスク資産にとって逆風です。

しかし今回、ビットコインは利上げ後に大きく下落するどころか、9月18日には8万ドルを突破しました。

その背景としては、

  • FRBの利上げが事前に市場へ織り込まれていた
  • 利上げ前から市場がポジション調整を進めていた
  • 日銀利上げ後も円が大きく上昇せず、円キャリー巻き戻しが限定的だった
  • ビットコインETFへの資金流入が戻った
  • 米国の暗号資産規制やトークン化株式を巡る前向きな材料が出た
  • 利上げ以外の市場材料がビットコインを押し上げた

といった要因が考えられます。

したがって、ビットコイン投資で「利上げ=必ず下落」と考えるのではなく、「市場が利上げをどこまで織り込んでいるのか」「実際の金融環境がどの程度引き締まっているのか」「ETFなどに資金が入っているのか」を見ることが重要です。

今回のような相場では、政策金利だけを見るのではなく、FRBの今後の利上げ方針、米国債利回り、ドル、日銀の追加利上げ、円キャリートレード、そしてビットコインETFの資金フローまで合わせて確認することで、より立体的にビットコイン市場を分析できます。

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